食器用洗剤と洗濯用洗剤。主婦ならほとんどの方が毎日使っていると思います。
毎日何度もお皿を洗い、家族の汚れた服を洗う。何気なくスポンジにつけたり、洗濯機に入れていますよね。
どちらも同じ洗剤ですが、そもそもこれらの違いはなんなのか知っていますか?
衣類に付いた食べこぼしは食器用洗剤でも落ちるのか…と、一度くらい考えた事がある方もいるのではないでしょうか?ちなみに私はあります!
洗濯用洗剤でお皿を洗おうという発想はあまりないかと思いますが…。
別用途として販売されてるからにはそれなりに違いがあるはずですよね!?
そこで今回は、食器用洗剤と洗濯用洗剤の違いについて解説していきたいと思います。
食器用洗剤と洗濯用洗剤の違いとは?目的と成分を徹底解説!
食器用洗剤と洗濯用洗剤の主な違いはその目的と内容成分です。
どちらにも共通している洗剤の主成分である界面活性剤。
濃度やpHの違い、香りやすすぎ易さなどもそれぞれの目的に合わせて調整されています。
- 食器用洗剤:食器に付いたひどい油汚れも落とせるように界面活性剤の濃度が高くなっている。
- 洗濯用洗剤:汗や皮脂を落とすために界面活性剤に加え、タンパク分解酵素が配合されている。
また、衣類の白さ、香りや手触りを良くするための成分も入っています。
これが食器用洗剤と洗濯用洗剤の大きな違いです。
食器用洗剤の特徴は?油汚れを落とす中性洗剤
それではまずは食器用洗剤の特徴を見ていきましょう。
食器用洗剤は油汚れを落とすのが主な目的
食器や調理器具に付いた油汚れを落とすための洗剤です。
そのため成分は基本的に人体に無害。もちろん多量摂取は危険です!!
ちなみに、食器用洗剤に柑橘系の香りが多いのはなぜだか知っていますか?ちゃんと理由があるんです!食器用洗剤に柑橘系の香りが多いのは、お皿や調理器具に虫が付かないようにするためです。
すすぎで落ちる程度の濃度になっていますが、そのような効果があるんですね。私は知りませんでした!
なんでみんな似たような香りなんだろうと思ったことがありましたが、こういうことだったんですね。
食器用洗剤は一般的に中性
食器用洗剤は一般的に中性です。最近では、”手に優しい”をうたい文句に弱酸性、かつ除菌力の強いものも出てきています。
しかし、食洗機用のものは直接手に触れることがないので強アルカリで洗浄力が強くなっています。
また、食器に付いた油汚れなどを直接落とすために界面活性剤の濃度は高めに作られています。そのため泡立ちが良いです。
私は食洗器を使っていないので、このような違いがあることを知りませんでした。
洗濯用洗剤の特徴は?皮脂を落とす弱アルカリ性
洗濯用洗剤の目的や成分を見てみましょう。
毎日使っている洗濯洗剤ですが、そもそも目的が何か成分など色々調べてみました。
洗濯洗剤の役割を知って毎日キレイな服を楽しみましょう。
洗濯用洗剤は皮脂を落とすのが目的
主な目的は衣類についた皮脂汚れを落とすこと。
しかしそれ以外にも土や泥、油、食べこぼし、化粧品など衣類に付く汚れは様々ですよね?
私も子供がいるので、砂遊びや食事中の食べこぼしの洗濯の大変さは身をもって感じています。
そのため洗濯用洗剤は、食器用洗剤に比べると多様な汚れに対応できるようになっています。
また、食器用洗剤とは逆に衣類に香りが残るようになっています。こちらはせっけんや花の香りが多いですよね♪
洗濯用洗剤の成分は弱アルカリ
液体と粉末タイプがあり、幅広い汚れに対応できるように弱アルカリ性になっています。
また、素材によっては影響が出る場合があるので、オシャレ着洗いは負担の少ない中性になっています。
そのため弱アルカリ性のものに比べると洗浄力は低くなります。
洗浄力を取るのか、素材への負担をとるのか?洗濯用洗剤も目的に合わせて選ぶ必要がありますね!
洗濯用洗剤には食器用洗剤に入っていない成分がある
洗濯用洗剤に良く使われている成分があります。
- 蛍光増白剤:衣類の白さを良くする
- 漂白剤:黄ばみや汚れを落とす
- 再付着防止剤:一度落とした汚れがまた衣類に付くのを防ぐ
- 柔軟剤:衣類をふんわりやわらかく仕上げる
これらは洗濯用洗剤でも入っているものとそうでないものがありますが、基本的に食器用洗剤に使うことはありません。
このような成分が入っているため、洗濯用洗剤を食器洗いに使うことはおススメしません!
食器用洗剤と洗濯用洗剤で使われるpHと界面活性剤を解説
ここまで何度も出てきたpH(ペーハー/ピーエッチ)や界面活性剤という言葉。
テレビなどでもよく耳にしますが、一体何のことかご存知ですか?
ついつい知ってる気になって聞き流してしまうことも多いですが、簡単にご説明します。
pHとは水素イオン濃度
酸性・中性・アルカリ性と言えばピンとくる方も多いのではないでしょうか。
シャンプーや食器用洗剤のCMでも、”弱酸性”という言葉をよく耳にしますね。これはpHのことを表しています。
pHとは水素イオン濃度のことです。
簡単に言うと水溶液の性質の違いを3つのグループに分けて示す数値です。
中性であるpH7を基準に、それより小さい数値は酸性、大きい数値はアルカリ性になります。
私は小学校の頃、リトマス試験紙で実験したことを思いだしました。
洗剤の中でも酸性・中性・アルカリ性があり、それぞれ効果を発揮する場所が違います。
- 酸性洗剤→水アカ、せっけんカス、尿石、お風呂・台所の除菌に効果的。
- 中性洗剤→台所用洗剤、トイレ用洗剤、お風呂用洗剤など。
- アルカリ性洗剤→コンロや換気扇の油汚れ、お風呂のカビ、窓ガラスの汚れに効果的。
食器用洗剤はpH6~8、洗濯用洗剤はpH9~10となっているものが多いです。
数値が大きくても(強アルカリ)、小さくても(強酸性)物質に対する影響力は強いです。
そのため、洗剤やシャンプーで”弱酸性”を売りにするのは、お肌に優しいという意味です。
しかし、いくら肌に優しいとは言え洗剤です。私はすぐ手がかゆくなってしまうので、食器洗い用の中性洗剤でもゴム手袋をして使っています。
界面活性剤とは石鹸など洗剤の主成分
界面活性剤は石鹸をはじめとした洗剤の主成分です。
普通なら混ざり合わない油と水。それらをなじませる物質です。
そのため食器洗いや洗濯のときに水だけでは落ちない油汚れが、洗剤を入れることによって落ちるのです。
なんとも便利な物質ですが、水質汚染の原因になるというマイナスな面もあります。
私も毎日食器や衣類も洗う主婦ですが、必要以上の洗剤は使わないように気をつけています。
小さなことですが、子供が生まれてからは地球環境のことも気にするようになりました。
食器用洗剤を洗濯に使えるの?
結論から言うと、使えます!!
私も、食事中に洋服に付いた油汚れは食器用洗剤で落ちるのでは?と思い、実際に使ったことがあります。
その部分だけ直接つけて手洗いしたらよく落ちました!
しかし何でもOKというわけではなく、いくつか注意するべきポイントがあるのでご紹介していきます。
- あくまで前処理剤として、汚れのひどいところの部分洗いで使う。
- すすぎを良くする。食器用洗剤のほうが泡立ちが良いので衣類の繊維に残りやすいため。
- 界面活性剤の濃度が高く、色落ちする場合があるので素材によっては注意が必要。
- 柔軟剤など入っていないので素材を痛める可能性がある。
このように、部分的なしつこい汚れには効果があるということが分かります。
ですが、洗濯機に入れて洗うのにはやはり専用の洗濯用洗剤を使いましょう。
まとめ
- 食器用洗剤と洗濯用洗剤の違いとは油汚れを落とすか、皮脂や汗を落とすかの目的で成分の配合や界面活性剤の濃度が調整されている。
- 食器用洗剤は手肌に優しい弱酸性、洗濯用洗剤は多様な汚れに対応できる弱アルカリ性。
- 洗濯用洗剤には蛍光増白剤、漂白剤など特有の成分が入っているので食器洗いには向かない。
- pHとは水溶液の性質を表す数値。
- 界面活性剤は油と水をなじませて汚れを落としやすくする役目をもつ。
- 食器用洗剤は注意事項を守れば洗濯にも使える。
普段何気なく使っている洗剤でも知らないことがありましたか?
私もこれから洗剤を購入するときには今まで以上にボトルの裏の成分表を見るようになりそうです。
特徴を知ってよりいっそう効果的な使い方をしましょう。